この場所にたどり着くまで ⑦

「あの女の人、知ってる・・・」

業者さんと話していた女性は、田舎暮らしの情報誌のインタビュー記事に取り上げられた人。ガーデニングを幅広くやって見える方で、妻が何度も読んで生活スタイルにあこがれていたという。初対面のはずなのに、この女性と妻は業者さんをはさんで、ガーデニング、別荘生活、田舎暮らし、いろんな話題で話が弾んでいた。業者さんは我々がここにいることにびっくりしていたようだったが、事情を話し、土地を買う気持ちが益々高まってきたことを伝えた。契約までの準備作業について説明を受け、以後のやり取りをメールで行うこととした。

この日は富士見町の「蕎茶房 季楽庵」で蕎麦のコースを食べ、たてしな自由農園原村店で買い物をして帰路に就いた。

数日後、業者さんからメールが届いた。

「先日は偶然お会いできてよかったです。さて、契約に向けての予定をお知らせします。現在、未登記建物の、旧所有者から地主への贈与、地主名での登記を法務局へ申請中です。此方が済めば、所有権移転費用がお知らせ出来ます。売渡の為の契約書案や、重要事項説明書案も作成中ですので、契約前に一度郵送します。内容ご確認して下さい。売主が10月31日に富士見に来ます。可能でしたら当日午後にでも契約を行いたいと考えております。日程調整可能か、お知らせください。前述の登記作業が済んでいれば当日一括決済ができますし、未了の場合でも手付金お支払で、残金お振込(登記が出来たら)のスタイルでの契約作業が行えます。〇〇様には事前に登記名義人名の記載された住民票をお送り頂きたいです。ご検討の上御連絡頂けますようお願い致します。」

いよいよ、契約に向けて動き出した。(つづく)