「私、ここがいい。ここに決めた！！」
良い物件が見つかった。値段的にもさっきの土地よりも安く、しかも別荘（ボロ屋）付きである。縦に長い分土地の横幅が狭いのが難点ではあるが、自分たちらしいこじんまりとした別荘を建てたかったので問題はない。早速、業者さんに予約をして帰路についた。
帰り道の中央高速道は楽しかった。妻とどういう別荘にするのか話し合った。そう言えば、夫婦で同じ目標を持って夢を語り合うなんて久しぶりのような気がする。単調な日々の生活に活気が取り戻せるような気がする。
次の日から業者さんとのメールのやりとりが始まった。売主さんが最近引っ越しをされたらしく、登記簿上の住所移動や現在未登記の建物の登記などの契約準備作業に時間がかかるということで、少し待つことになった。
ある日、妻が「もう一度、あの土地を見に行こう」と言い出した。（つづく）
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